君たちはどう生きるかを読んで

人生観

先月、宮崎駿監督の最新作、君たちはどう生きるかを映画鑑賞してきました。

映画を見たことによって、この物語の原点である『君たちはどう生きるか』という著書を読んだ感想をつづっていきたいと思います!

映画『君たちはどう生きるか』

賛否両論意見が分かれる中、私が観に行きたかったので、家族を誘って4人で観に行くことにしました。

個人的な感想としては、普通に面白かったです。

こどもにはあまりおススメできないということも事前にわかっていたので、娘たちにもそれは伝えた上で観に行ったのですが、思いのほか二人は楽しかったようです。

小3の長女においては、エンディングで泣いていました。

映画館を出た時になんで泣いたのか聞くと、感動したからと言っていました。

その姿を見て、子供だから難しいだろうからといって嫌煙するのではなく、なんでも経験・体験させてあげることが大切だな、としみじみ思いました。

実はまっさらでピュアな感性をもつ子供の方が案外作品のメッセージを受け取ったりするのかもしれません。

たとえ子供のころはつまらないと思っていても、大人になって改めて見た時にその作品の魅力を感じたり、作品が伝えるメッセージに気づいたりすることもよくありますよね。

特にジブリ作品は何回見ても新しい発見があるように思います。

全体的に満足した映画でしたが、ただ、自分自身では説明できないような、伏線や暗喩がたくさんちりばめられているように感じ、それが何なのかがはっきり理解できない難解さに視聴後モヤモヤする気持ちもありました。

YouTubeで解説動画を漁る

映画を見たその日に、モヤモヤする気持ちを解消したくなり、YouTubeで映画の解説動画をあげている人を探して視聴しました。

今までの宮崎作品のオマージュであったり、日本神話のオマージュと思われるシーンがふんだんに盛り込まれていたりと、解説動画を見てなるほど~と思うことがたくさんありました。

その中でも、特にYouTuberの方が解説していたことで印象に残っているのが、主人公の眞人が作中でガラッとキャラクターが変わるきっけかのシーンの解説

眞人は物語冒頭で母親を亡くし、それから陰鬱とした日々を過ごしていましたが、ある日その亡き母が自分のために残してくれた一冊の本を見つけます。

それがこの映画の題名でもあり、実際に存在する吉野源三郎著『君たちはどう生きるかでした。

眞人はその母が残してくれた『君たちはどう生きるか』を読み始め、しばらくすると涙を流しながら、さらに本を読み続けました。

この本を読んだあとから、眞人は何か吹っ切れたように従来の主人公らしい主人公(前向きに進んでいく少年)としてどんどん描かれていきました。

つまりこの『君たちはどう生きるか』という本が眞人(=宮崎駿少年)に与えたものがすごかったのではないかというような考察でした(ここでは眞人=宮崎駿少年として考察されています)。

あの宮崎駿監督に影響を与えた本!

それを聞いたら、『君たちはどう生きるか』を読まずにはいられませんでした。

その考察動画を観終わったっと、すぐに図書館で予約をして、先日ようやく手元に届きました。

『君たちはどう生きるか』を読んで

吉野源三郎著『君たちはどう生きるか』は、中学生の少年、通称コペル君とその叔父さんが人生における様々な問題を真剣に問答するような内容になっています。

貧困・いじめ・勇気・学問様々な分野がテーマになっており、

15歳の少年が、自分の周りで起きる体験を通して様々な問題に真剣に向き合っていく姿が印象的でした。

大人になると『当たり前のこと』が、コペル君にとっては大発見であったり、『自分の頭でとことん考えること』がいかに大切なことかが描かれていました。

また、コペル君のお友達も個性的なキャラクターが出てきます。

ガタイがよく男勝りな北見君。

スマートでおとなしくて賢い水谷君。

貧乏でいじめられっ子の浦川君。

その中でも印象に残っているのが、貧乏でいじめられっこの浦川君でした。

浦川君は貧乏なお豆腐屋さんの少年で、クラスメイトから執拗な嫌がらせを受ける日々でした。

家業が人手不足で忙しい時には、学校を休んでお豆腐屋のお手伝いをしたり、浦川君のお店で働く若い衆が倒れた時に看病してあげたりと、ほかの裕福な家庭の子供たちとは別次元の生活を送っていました。

しかし浦川君それに腐ることなく、優しい心を持ち合わせていました。

物語が進むにつれて、コペル君、北見君、水谷君と仲良くなり、北見君が生意気だと上級生に目をつけられて近いうち上級生が何か仕掛けてくるかもしれないと噂が広がったときには、その時は4人で一緒に先輩に殴られよう!と約束する仲にまでなります。

そして、その時はついにやってきて、北見くんが上級生に目をつけられて殴られるシーンでは、水谷君と一緒に北見君を守り、一緒に殴られます。

一方の主人公コペル君は、同じ現場にいながら、恐怖のあまり助けに出ていくことができず、それを後悔し思い悩むシーンが描かれます。

同じように恐怖を感じていたにも関わらず、浦川君は飛び出して北見君と一緒に上級生に殴られるシーンは、普段いじめられて抵抗もしない弱々しい奴と思われていた浦川君は、本当は誰よりも『強い心』を持っていると感じた瞬間でした。

そして恐怖のあまり、目の前で殴られる友達を助けられず【自分の弱さ】を嫌でも実感したコペル君と対照的に映りました。

また、そいうったコペル君が抱える問題を叔父さんが優しく答えに導いてくれたり、もっと深く考えるためのヒントを与えてくれるというのもこの本の醍醐味だと思います。

読者がコペル君の気持ちになっているところで、叔父さんがそれに答えるようにいろいろな見識を教えてくれるのでスッと心に入っていきやすいように思います。

一家に一冊置いておくべき良書

この本を読んで、人間とは何か、正しいとは何か、自分はこれからどうやって生きていくべきか、などをとにかく考えさせられました。

今回書いたのはほんの一例にすぎません。

まだ読んだことがない方はぜひ読んでみてくださいね!

最後に、

この本は、一家に一冊置いておくべき良書だと思います。

そして、これからの日本を支えていく子供にとっても必読書であると確信しています

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